東京から1,000km以上離れた南国の楽園・小笠原諸島。
その独特なアクセス事情や離島特有の価格帯もあり、旅行費用のイメージがつかみにくいかもしれません。
本記事では、交通・宿泊・現地ツアーなどあらゆる観点から費用の全体像を徹底的に解説し、予算計画を立てるうえでの不安を解消できるよう、わかりやすくまとめました。
記事のポイント
- 小笠原諸島旅行にかかる費用の相場を交通・宿泊・食事に分けて紹介
- 費用を抑える具体的な方法と格安モデルプランを提案
- リアルな体験談に基づく実際の出費例も紹介
- 最後に旅行費用の要点をまとめて提示
小笠原諸島旅行費用の相場と内訳
唯一の定期便おがさわら丸の往復運賃

小笠原諸島へ向かうには、東京都港区の竹芝桟橋から出航する定期船「おがさわら丸」に乗船するのが唯一の交通手段です。
航空便は存在せず、この大型船が島との唯一の公共アクセスとなります。片道約1,000km・24時間の長旅となり、まさに“船旅”を体感できる希少なルートでもあります。
【おがさわら丸の運賃と所要時間】
- 2等和室:片道31,030円(往復62,060円)~特等室:片道92,450円(往復184,900円)
- 所要時間:片道24時間(天候により遅延の可能性も)
繁忙期(ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始)は、予約開始と同時に満席になることも珍しくありません。
2025年7月現在、燃料価格の高騰や運航コストの影響で価格の見直しもあり、今後さらに値上がりする可能性があります。
旅行計画は早めに立て、予約開始日をチェックしておくと安心です。
チャーター航空機利用時の費用

2025年現在、小笠原諸島には空港が整備されておらず、定期航空便の運航も行われていません。
これは地理的・環境的な制約によるもので、国立公園にも指定される自然保護の観点から、滑走路の建設には高いハードルがあります。
ただし、特別な事情に限りチャーター機の運用がなされることがあります。たとえば、緊急の医療搬送や国の研究機関による観測活動、または防災訓練などが該当します。
こうしたチャーター機は非常に高額で、一般的に片道100万円以上が相場となります。
搭乗できる人数が限られるため、費用はさらに割高となり、個人旅行者が気軽に利用できる手段ではありません。
そのため、一般の旅行者にとっては「おがさわら丸」の定期船が唯一の現実的なアクセス手段です。今後、空路整備の構想が進展する可能性もゼロではありませんが、2025年時点では船旅を前提に旅行計画を立てる必要があります。
父島母島宿泊費ゲストハウスvsリゾート

宿泊費は選ぶ施設のタイプや立地条件、設備の充実度によって大きく異なります。
- ゲストハウス:1泊5,000〜8,000円程度が相場で、個室またはドミトリー形式。自炊スペース付きのところもあり、長期滞在者にも人気があります。
- 民宿:地元の家庭的な雰囲気が味わえるスタイルで、1泊8,000〜12,000円(2食付き)が一般的。食事は地魚や島野菜など、島ならではのメニューが提供されることも多く、旅情を感じられます。
- ペンション・ホテル:1泊15,000円〜と価格帯は上がりますが、冷暖房・バストイレ付個室・アメニティ完備の快適な滞在が可能です。中には展望風呂やカフェ併設の宿もあります。
父島は比較的施設数が多く、立地やサービスを比較しながら選ぶことができますが、人気シーズンはすぐに埋まってしまうため、早めの予約が重要です。
一方、母島は宿泊施設の数が限られており、予約枠が少ない分、静けさと自然の豊かさが魅力。手つかずの環境でのんびりと過ごしたい人には母島がおすすめです。
現地アクティビティや食費の目安

島内での観光を楽しむには、さまざまな現地アクティビティへの参加が必要になります。
小笠原諸島は自然豊かで独自の生態系を持っており、ガイド付きのツアーやマリンスポーツが多彩に用意されているため、それらにかかる費用を事前に把握しておくことが大切です。
- ホエールウォッチング:半日コース9,000円〜、1日コース15,000円前後。12月〜5月がピークシーズンで、ザトウクジラやマッコウクジラの観察が期待できます。観察率は高く、初めてでも十分楽しめるアクティビティです。
- ダイビング:1ダイブ10,000〜15,000円。初心者向けの体験ダイブからライセンス所持者向けのボートダイブまで選択可能。器材レンタル込みのプランもあり、追加費用がかかる場合もあります。
- 戦跡ツアーやナイトツアー:各4,000〜6,000円。ガイド付きで小笠原の戦争遺構や夜の生き物観察を体験できる人気ツアーです。小笠原固有のオガサワラオオコウモリやグリーンペペ(光るキノコ)観察も魅力です。
食費に関しては、ローカル食堂やカフェでの利用が主になります。
- 朝食:コンビニ的な商店で買えば500円前後、宿の提供がある場合もあります
- 昼食・夕食:各1,000〜2,000円が目安。島の定食屋やカフェで、島魚を使ったメニューや洋風ランチが楽しめます
ローカル食堂は比較的リーズナブルな価格帯ですが、食材のほとんどは本土からの輸送で賄われており、価格に反映されています。
そのため、全体的に“やや高め”と感じるかもしれませんが、味・量ともに満足度の高い店も多く、食の楽しみも旅の醍醐味のひとつです。
ベストシーズン費用変動と混雑率

小笠原諸島の観光において、最も人気が高まるのは12月〜5月のホエールウォッチングシーズンと、6月〜9月の夏休み期間を中心とした夏季観光シーズンです。
この時期は気候も安定しており、自然体験やマリンアクティビティを楽しむ旅行者が多く訪れます。
- ベストシーズン中は宿泊施設の需要が急増し、2〜3カ月前にはすでに満室になることも珍しくありません。船の座席も早期に売り切れるため、特にゴールデンウィークやお盆期間は要注意です。
- 料金面では、宿泊費・交通費ともに通常期に比べて1.2〜1.5倍の価格になる傾向があります。特にホテルやペンションなど人気の宿泊施設では、繁忙期特別料金が設定されることもあります。
- 一方で、8月下旬から10月にかけては台風シーズンにあたり、天候不良による欠航やツアー中止のリスクが高まります。せっかくの旅行が中止になる可能性もあるため、この期間は旅行保険の加入や柔軟な日程変更が可能なプランを選ぶと安心です。
ベストシーズンを狙うなら、予約はできれば出発の3カ月以上前に完了させておくのが理想です。
また、キャンセルポリシーを事前に確認し、天候による変更への対応策も含めて準備しておくことで、安心して旅行を楽しむことができます。
最短5泊6日モデル総額シミュレーション

おがさわら丸 での小笠原諸島への旅程は、往復航路とも 24 時間を要し、島滞在は中3日が必須となるため最短でも 5 泊 6 日の日程となります。
往路船中 1 泊+島内 3 泊+復路船中 1 泊の計 5 泊です。
| 日 | 行程 | 宿泊 |
|---|---|---|
| 1日目 | 東京・竹芝桟橋を午前出航(おがさわら丸) | 船中泊① |
| 2日目 | 父島着(昼頃)/午後観光 | 島内宿泊① |
| 3日目 | 終日観光 | 島内宿泊② |
| 4日目 | 午前観光→午後父島発 | 船中泊② |
| 5日目 | 終日航行 | 船中泊③ |
| 6日目 | 東京着(昼前後) | ― |
想定費用(2等船室+ゲストハウス1泊8,000円×3泊)
- 交通費:おがさわら丸往復(2等和室) 62,060 円
- 宿泊費:8,000 円 × 3 泊 = 24,000 円
- 食費:船内・島内計 8,000〜10,000 円
- アクティビティ:ホエールウォッチなど 5,000〜10,000 円
- 雑費(飲み物・レンタサイクル等):3,000 円
合計目安:100,000〜110,000 円前後
私が2025年に支払った総額レポート

実際に筆者が体験した費用内訳とその背景、工夫した点などを詳しく紹介します。以下は、竹芝桟橋から出発し、父島での滞在を経て東京に戻るまでの5泊6日旅行の内容です。
- おがさわら丸(2等和室):62,060円(竹芝〜父島往復、船内1泊×2)
- 民宿(2泊、2食付):22,000円(島内滞在中、家庭的な食事付き)
- 食堂利用:3,500円(昼食や軽食として2日間利用)
- アクティビティ:9,000円(戦跡ツアーとナイトツアーを1回ずつ参加)
- お土産・雑費:5,000円(家族や友人への土産、現地のカフェ利用など)
- レンタサイクル代:1,000円(1日利用)
- 飲み物・コンビニ的商店利用:1,500円(船内・島内での補給用)
総額:約99,140円
今回の旅では、食事つきの宿を選んだことで昼以外の食費を抑えることができ、また無駄な買い物を控えたことで予算内に収めることができました。
ナイトツアーや歴史探訪など小笠原らしい体験も満喫しつつ、費用と満足度のバランスを意識した旅となりました。
小笠原諸島旅行費用を抑える方法とモデルプラン
早期予約格安ツアー費用節約術

旅行会社によっては「おがまるパック」や「小笠原島旅プラン」などの名称で、宿泊がセットになったお得なパッケージツアーを販売しています。
こうしたセット商品は個別に手配するよりも安くなることが多く、特に初めて小笠原諸島を訪れる方や、手配に不安がある方にとって便利な選択肢です。
- JTBやHISなどの大手旅行会社でも取り扱いがあり、安心感も高い
- 通常価格より10〜20%、場合によってはそれ以上の割引となるケースもあります
- オフシーズン(10月〜12月や1月〜2月)には特別割引が追加されることも
- 食事付きプラン、アクティビティ付きプラン、ファミリープランなど、目的に応じて複数の選択肢が用意されています
こうしたツアーは、人気シーズンにはすぐに満席になることもあるため、早期予約が重要です。
特にゴールデンウィークや夏休みの時期は発売と同時に完売することもあるため、数カ月前から各旅行会社の公式サイトや旅行比較サイトを頻繁にチェックしておくことをおすすめします。
また、オンライン限定割引が設定されている場合もあるため、ネット予約の方がお得なことも多いです。
ペア割学生割のお得プラン

- 一部ツアー会社では学割や若者応援割が設定されており、大学生や20代向けの特別料金が適用されるケースがあります。
- 学生証を提示することで、おがさわら丸の乗船料金が数千円割引になるため、長距離移動のコストを抑えることができます。
- また、ペアでの予約では宿泊施設側で特別割引やドリンクサービスなどの特典が付くこともあります。
- 友人同士やカップルでの旅行計画時にこれらのプランを利用することで、旅の満足度を上げつつ出費を抑えられるメリットがあります。
- さらに、こうした割引情報は時期によって変動するため、予約前に各旅行会社や宿泊施設の公式サイトをこまめにチェックしておくと安心です。
個人旅行でも、ツアー会社や宿泊施設の公式ページで最新の割引情報を事前に確認することが、費用節約の鍵になります。
島内移動レンタサイクル活用法

父島・母島ともに比較的コンパクトな地形のため、徒歩とレンタサイクルでの観光が十分に可能です。
主要な観光スポットも集中しており、体力に自信があれば徒歩でも楽しめますが、時間と効率を考えるとレンタサイクルの利用がおすすめです。
- レンタサイクル:シティサイクル24h 2,000〜2,500円前後(電動は+500円〜)で、数時間単位での貸し出しも対応している店舗があります。電動アシスト付きの自転車を取り扱っている店もあり、坂道の多いエリアでも快適に移動できます。
- 島内タクシーやレンタカー:利便性は高いですが、1日あたり6,000円以上と費用は高め。特に短時間の移動には不向きです。
レンタサイクルは、島の自然をより身近に感じながら移動できる手段として人気があります。
海沿いの道を風を感じながら走ったり、小さな入り江でひと休みしたりと、車では味わえない体験が可能です。また、環境負荷も少なく、エコな観点からも旅行者に選ばれています。
節約と同時に自然を満喫できる理想的な移動手段といえるでしょう。
ふるさと納税旅行支援の実質負担軽減

小笠原諸島旅行の費用を少しでも抑えたい方には、「ふるさと納税制度」を活用した旅行支援が有効です。
一部自治体では、寄付の返礼品として「おがまる旅行券」や「宿泊クーポン」が提供されており、これを使うことで実質的な出費を軽減できます。
- 例:東京都小笠原村(父島)の返礼品では、おがさわら丸の往復チケットに使える割引券や、島内民宿で使える宿泊クーポンが含まれています。
- こうした返礼品を選択することで、寄附金額のうち2,000円を超える部分が所得税や住民税から控除され、結果的に“税金控除+旅行割引”の二重メリットを享受できます。
- 特に、旅行予定の数カ月前から準備しておけば、寄付からクーポン発送までのタイムラグを考慮しても十分に活用可能です。
ふるさとチョイス、さとふる、楽天ふるさと納税などのふるさと納税ポータルサイトで「小笠原」「おがさわら丸」などのキーワードで検索し、対応自治体と返礼内容を必ず事前に確認しておきましょう。
また、返礼品の中には数量限定や期間限定のものもあるため、早めのチェックがおすすめです。
船内24時間快適化持込アイテム

おがさわら丸は24時間以上の長時間乗船となるため、快適な移動にはしっかりとした準備が欠かせません。
特にエコノミーな二等席では個室などがないため、持参するアイテムの工夫次第で船旅の快適さが大きく変わってきます。
- おすすめ持ち物:ネックピロー・耳栓・サンダル・毛布・軽食・アイマスク・携帯充電器・小さなクッションやヨガマット(床で横になる場合)
- 船内の空調は冷えやすく、毛布や羽織るものがあると安心
- 食事を軽く済ませたい場合は、カップ麺やおにぎり、飲み物などを事前に準備。船内の売店や自販機は割高で、種類も限られるため注意が必要です
- 充電用の電源は限られており、モバイルバッテリーを持参すると便利
- 船内の照明や人の出入りによる騒音対策として、耳栓やアイマスクがあると熟睡しやすくなります
- 船内では読書や動画視聴などの暇つぶし対策も忘れずに(イヤホンも必携)
このように、事前の準備をしっかりしておくことで船内での24時間を有意義に過ごすことができ、体調や気分を整えて現地での活動にも良い影響を与えます。
船旅を“我慢”ではなく“楽しみ”に変えるための重要なポイントです。
お土産通信費など隠れコスト

旅行予算を立てる際、意外と見落とされがちなのがこの「隠れコスト」です。
これらは小額のように見えても積み重なると無視できない出費となるため、あらかじめ想定しておくことが大切です。
- お土産代:1,000〜5,000円。小笠原限定のお菓子や民芸品、塩・ラム酒などが人気。複数人に配る場合は金額が増えるため、数と予算を事前に計画しておくと安心です。
- 通信費:島内はWi-Fi環境が不安定で、宿でも繋がりにくい場合があります。快適なネット利用を希望する場合、ポケットWi-Fiなどのレンタルルーターを利用するのが一般的で、相場は1日500〜800円。1週間の滞在なら3,500〜5,600円程度の出費となります。モバイル回線が届かない場所もあるため、オフラインで使える地図アプリなども準備しておくと便利です。
- 洗濯費用:宿によってはコインランドリーの使用が必要な場合があり、相場は1回300〜500円。長期滞在者や家族旅行では頻度も増えるため、合計で1,000円以上かかるケースもあります。洗濯ネットや簡易洗剤を持参すると出費を抑えやすくなります。
これらの支出は現地での利便性に直結するため、あらかじめ準備しておくことでストレスや余計な出費を防ぐことができます。
また、島内にはATMが少なく、電子マネーが使えない場所もあるため、事前に現金を多めに用意しておくことも非常に重要です。
特に台風などで船の欠航が続く場合、滞在が長引くリスクもあるため、現金に余裕を持っておくことが安心材料になります。
人数別別費用シミュレーション(5泊6日)

以下の3パターンは、船中2泊+島内3泊=計5泊6日の日程を基準に費用をシミュレーションしています。
A:ひとり旅
- 交通:62,060円(おがさわら丸2等和室往復)
- 宿泊:24,000円(ゲストハウス 8,000円 × 3泊)
- 食費:10,000円(自炊+ローカル食堂)
- アクティビティ:5,000円(無料散策中心/戦跡ガイド1回)
- 雑費:3,000円
- 合計:約104,000円
B:カップル旅行
- 交通:124,120円(2名分・2等和室往復)
- 宿泊:45,000円(民宿 7,500円 × 3泊 × 2名)
- 食費:20,000円(朝夕は宿食/昼はカフェ等)
- アクティビティ:12,000円(ナイトツアー・展望ハイク)
- 雑費:5,000円
- 合計:約206,000円
C:家族旅行(4人)
- 交通:248,240円(大人2・子ども2/子ども運賃半額・2等和室往復)
- 宿泊:80,000円(家族向け民宿 20,000円 × 3泊〈2食付〉)
- 食費:35,000円(外食・おやつ含む)
- アクティビティ:24,000円(ホエールウォッチ+ファミリーガイド)
- 雑費:10,000円(洗濯・土産・島内交通)
- 合計:約397,000円
ダイビング・ホエールウォッチ追加予算目安

海の魅力を最大限に楽しみたい方にとって、小笠原諸島でのアクティビティは充実した内容となっていますが、そのぶん追加費用も発生します。計画的に予算を立てておくことが大切です。
- ホエールウォッチ:1回8,000円程度。時期によっては午前・午後のダブル便や、マッコウクジラ観察ツアーなどもあり、追加料金(10,000〜12,000円)になることも。
- ダイビング体験(器材込):15,000円〜。初心者向けのビーチダイブから、ボートで行くスポットダイブまでバリエーションがあり、2回目以降は割引が適用されるショップもあります。
- ダイビングライセンス保持者:10,000円/回。複数本パックやナイトダイブ、沈船スポットなど、オプションによって価格が上下。器材を持参すれば割引になる場合もあります。
- シュノーケリングツアー:5,000円前後(半日)〜8,000円程度(1日)。ダイビングよりも手軽で人気がありますが、保険料やレンタル代が別途必要なことも。
これらのアクティビティを2〜3回組み込む場合、+30,000〜45,000円程度の追加予算を見込んでおくと安心です。
特にマリンアクティビティは天候によって中止となることもあるため、事前に予約条件やキャンセルポリシーを確認しておきましょう。
自然と一体になる特別な体験にこそ、適切な予算配分をしておく価値があります。
旅行保険キャンセル料含むリスクマネー計算

台風や船の欠航など、小笠原諸島特有のアクセス事情によって、想定外の出費が発生するリスクも少なくありません。
そのため、リスクマネーを計算に入れておくことはとても重要です。以下のような点を踏まえて、あらかじめ備えておくと安心です。
- キャンセル料:宿泊施設によって異なりますが、一般的に宿泊前日で50%、当日は100%が発生します。また、旅行会社のパッケージツアーでは出発数日前からキャンセル料が段階的に発生することもあるため、事前にポリシーを確認しておきましょう。
- 旅行保険:1日500〜1,000円程度で加入でき、キャンセル費補填や台風による欠航時の補償を含むプランもあります。特に船の欠航が1日〜数日続く場合の宿泊延長費用や、交通費の再手配に関する補償があるか確認しておくと安心です。
- 医療関連リスク:島内でのケガや急病に備えて、医療費補償のついた保険も検討するとよいでしょう。父島には診療所がありますが、重症の場合は本土への搬送が必要になるケースもあるため、安心のための備えとして有効です。
また、こうした万一の事態に備えて、リスク予備費として最低でも5,000円〜10,000円程度は余裕を持って確保しておくことをおすすめします。旅先で慌てないためにも、リスクマネーは旅の安全と安心を守るための“保険”として、計画段階からきちんと組み込んでおきましょう。
長期滞在フリーランス月額コストと節税

フリーランスやワーケーションで1カ月滞在する場合、小笠原諸島ならではの自然環境を活かした働き方が可能になりますが、その一方で生活コストをしっかりと把握しておくことが重要です。
以下は実際の月間生活費の目安に加え、節税や業務効率の観点からの補足情報を加えた内容です。
- 民宿滞在:月12〜15万円程度が一般的。長期割引を設けている宿もあり、1泊あたり5,000〜6,000円で2食付きというプランも存在します。滞在型ワーケーションプランを提供する宿では、共用Wi-Fiやワークスペースが完備されていることもあり、快適な就労環境が得られます。
- 食費:月4万円前後が目安。自炊設備がある民宿を選べば、地元商店で野菜・肉・乾物などを購入し自炊中心の生活が可能。外食頻度が増えると月5〜6万円に上がることもあります。
- 通信環境:島内の通信インフラは一部エリアで不安定なこともあり、レンタルWi-Fi(月額7,000円程度)を導入するケースが一般的。リモートワークに必須のオンライン会議に備えて、通信速度の安定性を事前に確認しておくと安心です。オプションで高速Wi-Fi付きのコワーキングスペースを利用するケースも。
- 雑費・交通費:島内での移動(レンタサイクルやバス)、日用品購入などに月5,000〜10,000円程度を見込むとよいでしょう。
さらに、交通費や宿泊費、通信費などが業務に関連していれば、確定申告時に必要経費として処理できる場合があり、節税効果が見込めます。
たとえば、ライター・カメラマン・コンサルタント・Web系フリーランスなどは「現地取材」「作業拠点の確保」などの名目で経費化可能なこともあります。
経費処理には領収書の保管と用途明確化が重要となるため、記録をこまめにつけておくと良いでしょう。
自然と調和しながら集中できる環境が整った小笠原での長期滞在は、心身のリフレッシュと業務効率の両立が期待できるライフスタイルでもあります。
小笠原諸島旅行費用まとめ

本記事のまとめポイント:
- 小笠原諸島へのアクセスは「おがさわら丸」のみで、往復最低でも6万円以上が必要(2等利用時)。繁忙期は価格が上昇し、特等や個室の場合は10万円を超えることも。
- 宿泊は民宿からペンション、ホテルまで多彩に選べる。民宿は食事付きでリーズナブル、ホテルは快適性が高いが価格も上昇傾向。
- アクティビティは1つ5,000〜15,000円が相場。ホエールウォッチ、ナイトツアー、ダイビング、戦跡ガイドなど魅力あるプログラムが多数。2〜3回参加すれば+3万円超も想定。
- ふるさと納税の返礼品を活用すれば、実質的な交通費・宿泊費の軽減が可能。パックツアーは個別手配よりも最大1万〜1.5万円お得な場合も。
- 家族旅行・カップル旅行・フリーランスの長期滞在など、旅のスタイルごとに必要な費用が大きく異なる。特に家族旅行では30万円以上が標準予算。
節約のコツ:
- できるだけ早期に交通・宿泊を予約し、繁忙期の料金上昇を避ける。旅行会社のパックツアーも定期的にチェック。
- 船内での快適性を保つため、ネックピロー・毛布・軽食などを事前に用意。島内でも食料や日用品の価格はやや高いため、計画的に準備を。
- 台風や欠航リスクに備え、旅行保険の加入とともに5,000〜10,000円程度の予備費を確保。柔軟な日程変更プランの検討も有効。
この記事が、あなたの小笠原諸島旅行計画に役立ち、安心して楽しい旅が実現できるきっかけとなれば幸いです。自然と共存する貴重な体験を、ぜひ現地で堪能してください。
美景“凪”